ワンルームマンション専業大家コツコツ日記

ワンルームマンション規制、ファミリー住戸の戸数と負担率の試算(1)千代田区

東京23区のワンルームマンションにおいては、2000年前後から専有部の最低面積と一定数のファミリー住戸の設置義務などが各区毎に規制されてきました。
 
規制内容は各区毎に何度か強化されてきていることもあり、各区と築年数によって専有部の最低面積と負担割合(1棟内にファミリー住戸が多いと1R住戸の管理費・積立金の負担割合が少なくなる)が異なっています。

実際の専有部面積とファミリー住戸の戸数は各マンション毎にまちまちですが、より多くの1R住戸を分譲するため、規制をクリアするぎりぎりの専有部面積、ファミリー住戸戸数の構成となっている事例も少なくありません。

そこで規制を満たす範囲で分譲戸数を最大化するようにファミリー住戸を構成した場合のファミリー住戸数・負担割合の試算をしてみました。

今回は、千代田区の規制内容で試算してみました。

(1)千代田区のワンルームマンション規制の概要

1)対象建築物

次のどちらにも該当するもの。
イ)専用面積が30m2以下の住戸が、10戸以上の建築物
ロ)階数が地下を含めて4以上の建築

2)規制内容

①H16年(2004年)8月1日
・専有部の最低面積
22m2以上
・ファミリー住戸の設置義務
総戸数が20以上の場合は、ファミリー向け住戸(40m2以上)の専用面積が全住戸の合計の1/3以上。

②H22年(2010年)8月1日
・専有部の最低面積
25m2以上
・ファミリー住戸の設置義務
上記と同様

(2)試算例

1)築2006年頃以降のマンション

①総戸数19戸
・1R住戸:19戸
・ファミリー住戸:0戸
・専有部の合計面積:22m2×19=418m2
・1R住戸の負担割合比率:1
(総戸数で頭割りした場合を1とした場合の比率)

②総戸数20戸
・1R住戸:15戸、22m2×15戸=330m2
・ファミリー住戸:5戸、40m2×5=200m2、全体の38%
・専有部の合計面積:530m2
・1R住戸の負担割合比率:0.83
・ファミリー住戸の負担割合比率:1.51

③総戸数30戸
・1R住戸:23戸、22m2×23戸=506m2
・ファミリー住戸:7戸、40m2×7=280m2、全体の36%
・専有部の合計面積:786m2
・1R住戸の負担割合比率:0.84
・ファミリー住戸の負担割合比率:1.53

2)築2012年頃以降のマンション

①総戸数19戸
・1R住戸:19戸
・ファミリー住戸:0戸
・専有部の合計面積:25m2×19=475m2
・1R住戸の負担割合比率:1
(総戸数で頭割りした場合を1とした場合の比率)

②総戸数20戸
・1R住戸:15戸、25m2×15戸=375m2
・ファミリー住戸:5戸、40m2×5=200m2、全体の35%
・専有部の合計面積:575m2
・1R住戸の負担割合比率:0.87
・ファミリー住戸の負担割合比率:1.39

③総戸数31戸
・1R住戸:23戸、25m2×23戸=575m2
・ファミリー住戸:8戸、40m2×8=320m2、全体の36%
・専有部の合計面積:895m2
・1R住戸の負担割合比率:0.87
・ファミリー住戸の負担割合比率:1.39

実際のマンションにおいてこの試算通りの構成になっているとは限りませんが、総戸数が19戸以下の1Rマンション、ワンルームマンション内のファミリー住戸の場合は負担割合が高くなる傾向にありますので要注意かと思います。

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