直射日光にさらされる時間が長い一部の住戸の玄関ドアが経年劣化で退色してしまっています。
玄関ドアの取替については、まだ具体的に計画されていないこともあり、塗装による対応が考えられますが、塗装した場合の不具合も気になるところです。。
1)塩ビ鋼板の玄関ドア
●直射日光で退色した玄関ドアの状況
●玄関ドアの仕様は?
管理会社の担当者に聞いたところ、塩ビ鋼板とのこと。
●塩ビ鋼板とは
・ポリ塩化ビニール樹脂をコーティングした樹脂被覆鋼板。
・樹脂で表面を覆っているため通常の鋼板よりも耐久性が高い。
・腐食環境や酸性雨に強く、意匠性豊かで、玄関扉や建築内外装の他、住宅設備機器、電気機器にも使用されている。
2)塩ビ鋼板への塗装
●一般的な塗料を使ってしまうと・・・
・塩化ビニルフイルム中に含まれる可塑剤などの影響により、充分な密着性が得られず、塗装後も汚れが発生してしまう。
・塗装後、早くて数か月から塗膜表面がベタ付き、汚れが付着したり変色したりすることが多く見られている。
〇ブリード、可塑剤
・塩ビ鋼板の被覆材として使われている塩化ビニルフィルムには大量の可塑剤が含まれており、その可塑剤は一般的な建築塗料と混ざり易いので、塗膜に容易に移行して軟化
→鋼板の表面がベトベトしてしまい、なかなか乾かない現象が起きる。ブリード。
→汚れ等が付着しやすくなり、汚れやすくなってしまう。
●専用のプライマーが必須
・塩ビ鋼板に含まれる可塑剤の塗膜表面への移行を抑制する効果のある専用プライマーを使用する。
例)塩ビゾルウレタンプライマー、ビニタイトプライマー等