ワンルームマンション専業大家コツコツ日記

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川についてもっと知る

川に関わる情報をまとめています。

 
※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

  1. 地下水、伏流水、湧き水とは?
  2. 川の瀬、淵、トロ、ワンド
  3. 砂州と淵、B/H値
  4. 河状係数と河床勾配
  5. 放水路、トンネル河川、地下河川の概要
  6. 多自然川づくりの概要
  7. 水辺の植生の分類
  8. 水辺の植生の遷移と生態系
地下水、伏流水、湧き水とは?

●地下水
 
・雨や川の水がゆっくり地中にしみこんで、地層の隙間を満たしている水のことを地下水という。
 
・雨が降った後、すぐに地表を流れて川に入る水を「表面流出」、地下水が時間をかけて川に流れ出してくるものを「中間流出」、「基底流出」と呼ぶ。
 
・雨が地中にしみ込んでから川の水になるまでかかる時間は、地中の深い岩までしみ込む場合に1~3年と言われている。
 
●伏流水、湧き水
 
・砂や礫のように水がしみ込みやすい土地では、地下水の水位が川の水位より低いと、川の水が地中にもぐりこんで地下水となって地中を流れていく。この水のことを伏流水という。
 
・伏流水は、地下水位が地表面より高くなる所で「湧き水」や「自噴水」などとして再び地表に現れる。
 
●水無し川
 
・川を流れている量が地中にしみ込む量より多ければ、川の水がなくなる事はないが、逆にしみ込む量の方が多くなると(その区間だけ)川の水が無くなったりすることがある。
 
このような川を、「水無し川」、「涸れ川」と呼ぶ。
 
・通常は伏流水で増水時に流れたりする川、逆に渇水時に一時的に水無し川となる川もある。
 
下流にいくと、農業用水や発電用水の取水などの人の利用によって、水無し川となっている川もある。

川の瀬、淵、トロ、ワンド

蛇行した川の流れの変化や水制などの河川構造物によって、瀬、瀬、トロ、ワンドといった地形が出現します。それぞれの地形の特徴について調べました。
 
●瀬、淵、トロ
 
・河川には、浅くて流れの速い”瀬”、と深くて流れの緩やかな”淵”がある。深さや位置が瀬と淵の中間はトロ(瀞)と呼ばれる。
 
瀬は、上流域から中流域付近にかけての勾配のきつい場所に形成され、淵は、流れの曲がり角や大きな岩の回り等に形成される。
 
・魚は基本的には瀬で繁殖し、淵では休息したり、避難したりする。
 
洪水時には、淵以外に橋脚の裏側、大きな岩の陰、支流の小川・用水路、ブロックの隙間などがある。
 
①瀬の特徴
 
・瀬はさらに平瀬と早瀬に分けられる。
 
・早瀬は流速が早く、川底に浮石が多い。平瀬の川底には沈み石が見られる。
 
・早瀬は水面が白く白波立ち、平瀬は水面がしわ立つが白波がたたない。
 
・瀬では、川底の石が適度に転がり、藻類も新しいものと入れ換わることができ、藻類の生産力も高まるものとなる。
 
とくに早瀬では、細粒分が流されるため、石と石との間に多様な流速分布を有する空間を形成することから、流水にたくみに適応した水生昆虫類にとっては、多様な生活空間を提供するものとなる。
 
・中流域の瀬には藻食性の強い雑食性の魚アユやオイカワが多い。
 
②淵の特徴
 
・淵は水深が局所的に大きく流速が小さい。
 
・淵は流速が遅く、川底には砂、シルト等が堆積しやすいため、藻類の付着基盤としては不十分である。
 
しかし、早瀬に連続する淵は、瀬で生産された藻類や水生昆虫類等が淵へ流下するため、これらを餌とする動物の生息場所となる。
 
また、流速が遅く水深の深い淵は、動物の休息の場として利用されており、特に冬季は、魚類の越冬場所としても利用される。
 
・淵は肉食性のイワナ、ヤマメ、アマゴ、ウグイ、カワムツなどの餌場になる。
 
③トロの特徴
 
・水深はやや深く、流速は遅い。
 
・水面は波立たず、鏡のようになめらか。
 
・ドジョウ、タナゴ、イトモコロなど。

●ワンド
 
・川の本流と繋がっているが、水制などの河川構造物などに囲まれて池のようになっている地形のこと。
 
・ワンドの大きさは、50~7000m2と様々。
 
・ワンドは、水流が穏やかなので、淡水魚の生息に適しており、様々な植生が繁殖する場ともなっている。
 
・近年では、河川にビオトープを形成する手段として、人工的に作られるケースが増えている。
 
※参考サイト
独立行政法人 土木研究所 自然共生研究センター

砂州と淵、B/H値

・川の中には、川底に土砂が厚く堆積した所(砂州)とそうでない所がある。
 
・砂州の形成は、河幅と水深の比(B/H値)により左右され、おおよそ10倍から20倍程度以上となる河川の区間で出現する。
 
・砂州の対岸は深く掘られていて、淵と呼ばれる。
 
※参考図
瀬(せ)や淵(ふち)ってなに?

河状係数と河床勾配

●河状係数とは?
 
・河川のある地点における最大流量と最小流量の比で、河川流量の安定度を数量的に示したもの。
 
・一般に、日本の河川は、河状係数が大きいため流量的に不安定。
 
河状係数=最大流量/最小流量
 
・河状係数が大
流量が不安定で、相対的に洪水が大きく、渇水も発生し易い
 
・河状係数が小
流量が安定していて、相対的に洪水が小さく、渇水は発生し難い
 
●河床勾配と急勾配河川
 
・川底の傾き(河床勾配)が急な河川を急勾配河川と言う。
 
・日本は山地が多く平野は少ないため、外国の川と比べて急勾配河川が多くある。
 
・急勾配河川では、降った雨がすぐに海まで流れてしまうため、雨が多い梅雨や台風時期には洪水が発生しやすくなる。

放水路、トンネル河川、地下河川の概要

●放水路の概要
 
・河川からの溢水による洪水を防ぐため、川を人工的に新たに開削し、海や他の川に放流する水路のことを放水路または分水路という。
 
また、川の蛇行部分をショートカットし、洪水を早く下流へ流すために人工的に開削した水路を捷水路という。
 
・河川改修ができない場合や改修延長を短縮するなどのために、放水路を作り、直接海に放流したり、他の川あるいは元の本川に放流する。開水路のほか地下を通るトンネル河川となることがある。
 
・放水路の計画にあたっては、本川と放水路を流れる水量が所定の分量比を保つことができるかどうかが重要となる。
 
・放水路は洪水だけでなく大量の土砂も輸送するので、本川の川幅の減少や河床低下に配慮する必要がある。
 
・設置例
荒川放水路
 
●トンネル河川
 
・放水路の一形態として、山岳等を掘削したトンネルを利用して洪水を他の河川や海へ排水する。
 
・トンネル河川は、流量の一部をトンネルで分流するタイプと、河道全体がトンネルとするタイプがある。
 
・設置例
狩野川放水路
 
●地下河川
 
・都市部の河川では、川幅を広げた洪水対策が困難な場合がある。地下河川、主として道路下の地下空間にトンネルを建設して、河川から分流した洪水を他の河川や海に排水する施設。
 
・設定例
首都圏外郭放水路
 
神田川環状七号線地下調節池

多自然川づくりの概要

●多自然川づくりとは?
 
多自然川づくりとは、
 
河川が本来有している生物の生息環境や多様な景観を保全・創出し、
地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、
治水・利水機能と環境機能を両立させた河川管理
 
を行うことをいう。
 
●多自然川づくりに基づいた護岸、河川改修
 
・極力、改修前の自然環境のしくみを維持することを意識する。
・施工箇所に存在する植物や木、石などの素材を利用
・自然の生み出す流速や川幅、水深、植生の変化等を残す。
 
①護岸
 
・極力コンクリート護岸に頼らず、現場の石材等を使用しつつ、表面を植生が覆うような工法を採用。
・河畔の植物も残し、植生の連続性に配慮する。
・水制という、川の流れを変える構造物を河道内に設けて河川の流れを弱めたり分断したりすることで、岸を守る方法を使用。
・コンクリート護岸を採用する場合にも、表面をコンクリートのままにするのではなく、覆土を利用して隠し護岸とする。
・コンクリート護岸の代わりに侵食防水シート、コンクリート根固め工の代わりにカゴマット・杭柵工を使うなどする。
・のり覆工にのり枠工や柳枝工を用いて植物が生えやすいようにする。
・石積みという、自然石を積んだだけの護岸では、石と石の間に隙間ができるため、そこに植物や小魚・小動物のための空間ができる。(石を積んだ後、石と石の間の間隙をコンクリート等で固めることで補強する場合もある)。
 
②河道
 
・自然状態での河川形状をできるだけ活かし、断面や流路、河川床が、自然の営みに応じて変化していくことを基本とする。
・生物の生息環境を考慮し、ワンド、魚巣ブロック、捨石などを採用。
・寄せ石という工法では、河道の端に自然石を敷くことで水際部に凹凸ができ、流速に差が生じ、魚類などの生物の成育に良好な環境を形成している。
 
※参考サイト
多自然川づくり – 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア

水辺の植生の分類

1)水生植物
 
・水生植物には、有機性汚濁物質の分解(植物表面の微生物の働きと茎葉から根に運ばれた酸素が河底の表層土中の有機物を分解)、栄養塩類の除去(根、葉、茎から吸収したり、植物表面の藻類が吸収)といった浄化機能がある。
 
・草本植物の生育立地条件は、比高(高水敷の平均河床高と低水路の平均河床高の差)と表層土砂の特性(細粒土)が大きく影響する。
 
粒径がある程度大きく、比高が中程度→カワラハハコ、メマツヨイグサ
粒径が細かく、大きく比高が低い→ツルヨシ、アカメヤナギ
比高がやや高い→チガヤ
粒径よらず、比高が高い→ススキ、クズ
 
①抽水植物
 
・比較的浅い水中に生え、根は水底の土壌中にあり、葉や茎が水面から出ている植物。根の先端まで通気組織があるため嫌気性の泥の中まで侵入できる。
 
・アシ、ガマ、ハス。ヨシ、マコモなど。
 
・ヨシ原は野鳥の巣場所、魚やエビ、水生植物の産卵といった生息環境の保全にとって重要。
 
・ツルヨシは土や砂があれば定着し、定着するとかなりのスピードで茎を伸ばして群落を広げていくので、洪水に伴い新しい砂礫の河原ができると、まず最初にツルヨシ群落が形成される。
 
・ヨシ、チガヤ、マコモは、地下茎の発達がよいという特徴を持っており、護岸としての機能も高い。
 
②浮葉植物
 
・比較的浅い水中にあり,根は水底の土の中に生じ,葉は水面に浮んでいるような植物。
 
・なかには水中葉をもあわせてもつものがある。
 
・ヒツジグサ、ヒルムシロ、オニバス、ヒシ、アサザなど。
 
③沈水植物
 
・体全部が水中にあって固着して生活する植物。
 
・底泥から栄養塩を吸収して群落を形成。
 
・クロモ、セキショウモ、マツモ、ササバモ、コカナダモなど。
 
④浮水植物
 
・固着せず、流れの静かな水面に葉を浮かし、水中に根を垂らして浮遊生活をする植物。
 
・体表から養分や水分を摂取する。
 
・サンショウモ、ウキクサなど。
 
2)河原の植物
 
セリ、シロネなど
 
3)木本植物(樹,樹木のこと。植物学では木本植物という)
 
・洪水により生育場所を頻繁に撹乱される水辺は、寿命の長い木本植物は草本植物と比べて少ない。
 
・木本植物には、ヤナギ、ハンノキ、ケヤキ、ハリエンジュ、イタチハギなどがある。
 
・木本植物の葉が落ち、これが林床で分解されて細かくなると、デトリタス(デトライタス)となる。デトリタスとは生物の死骸、破片、排出物やそれらの分解中の物質、分解産物の事で、水生昆虫の餌や巣の材料となり、さらに水生昆虫は鳥や魚の餌となる。
 
木の枝から川へ落ちた昆虫やクモは、動物食や雑食性の魚の餌となる。
 
・ヤナギ類は比高が低い所に生え、ヤチダモは栄養を持った細粒土上に生える。
 
・ヤナギ類は、生長が早い、根部は冠水に抵抗できる、感想に強い、幹枝に弾力性があり、たわんで流されにくい、といった効用がある。
 
・ハンノキは水位変動の少ない貧栄養状態でも生える事ができ、いったん幹が折れたり枯死したりしても幹の基部や根から萌芽して、新しい枝を形成する。
 
・ヤナギやハリエンジュは鳥が集団を巣作りをする場所となる。ヤナギはの根は酸素の少ない層には侵入できない。

水辺の植生の遷移と生態系

(1)水辺の植生の遷移
 
・水辺では、定期的に洪水が起こる事によって、植生が循環するのが特徴。
 
・水辺の植生の遷移
 
裸地→一年草群落(ヤナギタテ、タコノアシ等)→多年草群落(ツルヨシ、オギ等)
→洪水が発生→裸地に戻る
→洪水が発生しない場合→樹木が侵入(タチヤナギ等)
 
※一般的な陸地の場合
裸地→一年草群落(エノコログサ等)→多年草群落(ススキ等)
→樹木(陽樹)の侵入(アカマツ等)→陽樹群落、陰樹の侵入(タブノキ等)
 
(2)洪水が作り出す林
 
●低水路を拡幅した場合
 
土砂を流す掃流力が落ちるため、河岸に土砂が堆積して植生が繁茂する事がある。
 
●砂利採取、横断工作物の建設
 
河床が低下し、洪水によって運ばれた細粒土が高水敷に堆積して植生が生えることがある。
 
●ヤナギ類
 
・洪水により倒れたり、堆積土砂に埋没したりしても、萌芽再生力が高いので、新たな芽を出して生え始める。
 
●洪水流の妨げ
 
・高水敷の樹林化は、ある程度までは自然環境に好影響を与えるが、洪水時に水位が上がり洪水流の妨げとなるので、バランスを考え適宜伐採することも必要。
 
(3)水辺林の効果
 
1)生態空間の形成
 
・流量が安定している河川では、水際線まで多年生の植物が生育し、樹齢の高い水辺林が発達する。
 
・流量変化が大きい河川では広い河原が広がる。洪水撹乱の影響により、水辺林は流下方向に細長い構造となる。
 
・水辺林では昆虫、動物が生息し、野鳥の営巣、隠れ場となったりする。
 
2)日射遮断による水温維持
 
3)水質浄化
 
・栄養塩類(窒素、リン)を保持する役割があり、水質を維持するフィルターとなる。
 
4)魚への餌供給、生息場所
 
・倒流木は水の流れをさえぎり変化させ、局所洗掘に伴う淵や隠れ場所を形成する。

地下水、伏流水、湧き水とは?

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