ワンルームマンション専業大家コツコツ日記

里山、雑木林の基礎知識

里山、雑木林の基礎知識に関する情報をまとめています。

 
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  1. 植生遷移と極相林
  2. 森林の階層構造
  3. 放置された雑木林、管理された雑木林
  4. 植生自然度と雑木林
  5. 里山林、人工林の形成と衰退
  6. 雑木林の萌芽更新
  7. 拡大している竹林の問題点
  8. 雑木林でよく見られる樹木の特徴
  9. 雑木林の景観の特徴
  10. 半自然草原の概要
  11. 湧水湿地、ため池、水田、湧き水と生物多様性
植生遷移と極相林

植物群落の遷移の仕方、遷移が安定した極相林についてまとめました。
 
●植生遷移(一次遷移)
 
①裸地
・溶岩流や氷河の侵食によって作られた土地、岩盤の上等。
・岩石の風化などで土壌が形成
 
②コケ・地衣類
・苔や地衣類の生育による有機物の蓄積により少しずつ土壌が成熟される。
土壌には土壌動物や土壌微生物も当然出現する。
 
③一年性草本→多年性草本→草原
・先行する一年生の草本は光を多く要求し早く生長するものが多い。一方、草丈の高い草本の中では生長が妨げられ、駆逐されてしまう。
 
④低木林
 
⑤陽樹林(アカマツ、クヌギ、コナラ、イヌシデ、アカシデなど)
・陽樹は光合成量が高く、比較的成長が早いため陰樹と比べ優勢になりやすい。
・森林ができると、その内部は湿度が高く、林床の照度は低くなる。こうなると、陽樹の苗木が生育しにくくなる。
 
⑥陰樹林(シイノキ、アラカシ、タブノキ、クスノキなど)
・暗い林床でも成長できる陰樹の陽樹林にとって代わる。
・陰樹林内では陰樹は生育できるので、見かけ上はこの形の森林がこれより変わることはなくなる。
 
この安定した状態を極相(クライマックス)といい、それが森林であれば極相林という。
 
●地域・気候によって異なる極相林
 
・ある地域の極相群落がどのようになるかは、その地域のおかれた気候条件に依存する。
 
・北海道の北部、東半分
エゾマツ、トドマツなどからなる針葉樹林がひろがる。
 
・上記以外の残りの北海道、東北地方、関東から中部地方の内陸部
ブナに代表される落葉広葉樹林(夏緑樹林)
 
・関東地方沿岸部から西南日本
シイノキ、カシノキ類、タブノキなどから構成される常緑広葉樹林(照葉樹林)
 
●一次遷移と二次遷移
 
・土壌のない裸地からはじまる遷移を一次遷移、土壌が存在し、そこに植物の種子や土壌動物などが含まれる場所から始まる遷移を二次遷移という。
 
・放棄田における遷移や里山の雑木林は二次遷移によって生じたものといえる。
 
・九州、四国には常緑広葉樹林型の二次林が見られるが、それを除いた地域では共通して赤松林およびクヌギ-コナラ型の林になる。

森林の階層構造

●森林の階層構造
 
①高木層
②亜高木層
③低木層
④草本層
⑤コケ層
 
・森林に照射される光は、まず高木層の樹木の光合成に利用され、その木漏れ日が亜高木層に利用され、さらにその木漏れ日が順次、低木層、草本層と利用される。
 
階層の下になるにつれて光の量が少なくなるので、低い階層の植物は弱い光を効率よく利用できる性質を持つものが多い。
 
・上位の階層で利用されなかった光が下位の階層で利用されるので、森の中で効率よく光が利用されている。
 
・林床に達する光が少ないと湿度が適度に保たれ、植物の生育にとって良好な環境となる。
 
・階層構造が発達すると森林の占める空間が効率よく植物やそこに住む動物に利用されることになる。
 
●管理された雑木林、人工林と階層構造
 
・人工林や農用林として利用されていた雑木林は、定期的に下草刈りなどの手入れが行われていたため、階層構造の発達が強制的に抑制された状態で、ほとんど高木層と草本層だけからなる比較的単純な構造を持つ林となっていた。

放置された雑木林、管理された雑木林

●放置された雑木林の生態遷移(サクセッション)
 
・林床に関東地方ではアズマネザサなどが繁茂し、立ち入ることも困難な藪となってしまう。
 
地表面は完全に光を遮られ、ササの落ち葉が厚く堆積するので、他の植物の種子が落ちても発芽できない、あるいは発根しても根が地上に届かない。
 
こうしてササはますます勢力を強め、特定の動植物しか生育できず多様性が低下する。
 
伐採してもすぐに地下茎から再生してくるので、ササを取り除くにはかなりの時間と労力を要する。
 
・武蔵野台地の場合は、もともとは照葉樹林の地域なので、ヒカサキ、アラカシ、シ
ラカシ、アオキなどの常緑の木本が目立ってくる。
 
・定期的な下草刈りや数十年に一度の伐採等が行われなくなると、極相林である照葉樹林へと遷移していく。
 
・高木層と林床植生の2層構造から高木層、亜高木層、低木層、林床植生の複雑な階層構造に遷移する。
 
・常緑樹が増えてくると、林内に差し込む光が減って暗くなり、林床で生育できる動植物の種類も限られてくるので、落葉樹の林と比べると多様性が低下する。
 
・一方、都市近郊の雑木林は住宅開発などで分断化されているので、本体生えていたはずの樹木がすでにない状態なので、時間が経過しても元の照葉樹林帯に戻れない場合も多い。
 
●管理されてきた雑木林
 
・農家によって雑木林が有用で管理されてきた。
 ・落葉は堆肥作りの材料。
 ・自家用の薪や木炭
 ・商品として薪炭を生産
 
・管理サイクルの例
①コナラなどを伐採
②一年生草本の群落
③コナラの切株から萌芽
④成長した萌芽枝を2~3本に間引き
⑤下草刈りと落葉掃き
⑥15~25年で伐採

植生自然度と雑木林

●植生自然度とは?
 
・植生に対する人為の影響の度合いにより、日本の植生を10の類型に区分したもの。
 
・植生自然度は高ければ高いほど良いという、単一の価値尺度として捉えるべきものではなく、長年にわたる人と自然とのかかわりあいの中で形作られてきた自然の姿を表す類型区分のひとつとして考えるべき。
 
●植生自然度の区分
 
○植生自然度10、9:自然草原、自然林
 
・全国の約23%を占めている。(北海道、沖縄を除いた本土では11%)
 
・学術的価値を持つ植生が多い。
 
○植生自然度8、7:二次林
 
・全国の26%を占めている。特に、中国地方では58%、近畿39%、四国で38%も二次林地域が占めている。
 
・一般に二次林はかっての薪炭林等が現在自然放置され粗放な土地利用形態が多く、二次林の比率の高い地方や地域の土地利用の可能性とその保全を今後どのように考えるかが問題となる。
 
・武蔵野のクヌギ、コナラ林のように地域に対して風土的特性を与えているものがあり、歴史的自然環境を構成する重要な樹林地でもある。
 
・都市地域に残存する二次林は、都市住民にとってレクリエーション的価値のある都市林を形成し、さらに自然度の低い都市に自然の多様性を与えている。
 
・植生自然度10、9の残されている比率の低い関東から以西の西南日本にかけて、それらの地方に残されている植生自然度8はより自然性の高い9への遷移途上の植生として、学術的価値を有するものがある。
 
○植生自然度6~2:植林地、二次草原・農耕地
 
・全国の49%を占めている。
 
・これらの地域においては自然と人工との調和を保ちつつ、良好な自然環境の育成と、生産緑地としての生産力の維持を図ることを保全上留意する。
 
・二次草原は草地生態系として学術的に重要なものもある。
 
○植生自然度1:緑のない都市、工業地
 
・全国の3%を占めている。
 
・東京都では40%(都内23区では87%)、大阪府34%(大阪市では91%)、神奈川県28%に達し、大都市圏の都市砂漠化が認められる。
 
●雑木林と植生自然度
 
・雑木林の植生自然度は6~7と評価される。
 
・人の手が入らず荒れた雑木林はいずれ、その土地の潜在自然植生に近づいていき、植生自然度は高くなっていく。
 
単純に”自然らしさ”という尺度のみで判断せず、長年にわたる人と自然とのかかわりあいやその地域に対する風土的特性についての価値も考慮して保全していく必要がある。

里山林、人工林の形成と衰退

●里山林の形成
 
・農家の生活の場として発達してきた。
 ・雑木林から薪炭燃料、山菜、木の実、堆肥用の落ち葉を得る。
 ・スギ・ヒノキ林から家屋の改築や補修に利用
 ・竹林から農用具やタケノコを得る。
 
・丘陵地や山地以外に、関東の武蔵野では平野部で平野林が発達してきた。
こういった平地林は、必ずしも自然発生的に成立したのではなく、人の手によって作られたものも多い。
 
江戸時代の新田開発時に、畑の近くにコナラやクヌギなどの苗を植えて雑木林を作り、燃料用、堆肥用、防風林用に利用してきた。
 
●里山林の衰退
 
・戦後、都市ガス、プロパンガス、灯油などの燃料普及に伴って木炭、薪炭の利用がなくなり、薪炭燃料用途としての里山林の存在意義が一気に薄れてしまった。
 
・こうして管理されなくなった里山林は、スギ・ヒノキの人工林に変わったり、そのまま放置されたササなどが生い茂るヤブ林へと変わっていった。
 
●スギ・ヒノキ人工林の大増殖
 
・戦後、戦災で消失した家屋の復旧のために木材需要が高まり、1960年代から”拡大造林政策”によってスギ・ヒノキが大量に植えられた。
 
・伐採された人工林の跡地だけでなく、雑木林やブナ林などの天然林を置き換える形でも植林し、日本の全森林の4割を占めるほど増殖した。
 
・さらに農業の衰退と相まって、田畑も森林化されていった。
 
●輸入材増加と林業の崩壊
 
・1960年代~1970年代に拡大造林政策が行われたが、苗木から柱材が取れるようになるには30年~40年かかる。
 
1960年代後半にはラワン材などが輸入されるようになってきた。輸入材は、国産材と比べて価格が安く、年々増えていった。
 
輸入材は天然林を伐採しているのに対し、国産材は、植林から下草刈り、間伐などの森林管理コストも上乗せされているなどの要因もあり、価格では太刀打ちできない状況となっている。
 
・拡大造林政策によって植林したスギ・ヒノキは、収穫期になっても伐採されぬまま放置され、荒れ果てた状態となっているものも多い。
 
●放置された里山林の現状
 
・管理されていれば15~20年に一度伐採されているはずの里山林が放置され、樹齢が高くなっている。
 
樹齢が増すにつれて伐採後の樹木の萌芽能力が衰えてくるため、再生力が低下してきている。
 
・定期的な下草刈りが行われなくなったため、繁殖力が強いササ、タケ、ツルが密生したり、本来の自然植生である常緑樹が増加してきている。
 
特にアズマネザサやネザサが密生した林内では、人の背丈を越えるほどの高さで隙間なく生い茂り、人が立ち入れない状況にもなっている。
 
このようにヤブと化した里山林は、景観や防犯上の環境も悪化し、不法投棄が増加している。

雑木林の萌芽更新

●萌芽更新とは?
 
・樹木の伐採後、切り株から新たな芽を出し再び成長するという性質(萌芽性)を利用してして森林の再生を図る方法。
 
・伐採されたことにより地表に太陽光が届くようになるため、周囲に落下していた種子からの天然更新も進む。
 
・種子から育てる場合と比較して、萌芽の場合は成長のスピードが速くなるので、生産性や管理の面で有利になる。
 
・老木(40年以上)より若木(20~30年以下)の方がより活発に萌芽するため、伐採は若木のうちに行う方が、より確実に萌芽更新が期待できる。
 
●雑木林と萌芽更新
 
・萌芽性の強い樹木は主にブナ科に多く、クヌギ、ミズナラ、カシワなどの落葉樹や西日本に多いアラカシ、ウラジロガシなどの常緑樹が挙げられる。
 
これらの樹木は、萌芽性に優れると共に、薪炭材としても利用できるため、雑木林の主要樹種として管理されてきた。
 
・スギ、ヒノキ、アカマツなどの針葉樹は、一般に萌芽性はないので、伐採すると新たに苗木を植えて再生させる必要がある。
 
・老木になると萌芽性が衰えてくるので、雑木林の樹木を伐採せずに放置すると萌芽更新を行うには不利になる。

拡大している竹林の問題点

●日本の竹林の概要
 
・日本で普通に見られるタケは、モウソウチク、マダケ、ハチクの主に3種類。
 
・タケノコ採取や竹材利用のために、古くから里山の民家周辺などで小規模に栽培されてきた。
 
・タケは、ササと同じくイネ科の常緑植物で、地下茎からタケノコを出して増え、高さ15~25mになる。
 
・タケノコの発生から一ヶ月後には10~20mに達するという驚異的な成長速度を誇る。
 
●竹林の拡大と問題点
 
・農業の衰退とともに放置された竹林が増えてきて、野生化して拡大している。
 
・タケは地下茎を伸ばして栄養生殖で増えるので、10mも先の地中からタケノコを発生させ、暗い林内でも成長することができ、あっという間に他の木を超える高さにまでなることができる。
 
こうしてタケが侵入した林の木々は、光を奪われて次第に衰弱し、竹林が拡大していく。
 
・竹林はタケ以外の植物がほとんど見られず、極めて単純な植生になってしまう。
 
・一度竹林が広がると、他の森林へ変わるのは難しい。竹林内には分解しにくいタケの落ち葉が厚く堆積し、他の植物の種子が落ちても発芽することが難しい。
 
たとえ他の植物があったとしても、オニドコロ、ハエドクソウ、アオキ、ヒサカキなど種類が限られる。
 
一本のタケは5~15年で枯れるが、枯れた跡にはまたタケノコが生えてくる。

雑木林でよく見られる樹木の特徴

雑木林でよく見られる樹木の特徴についてまとめました。
 
●コナラ
 
・ブナ科の落葉広葉樹
・主にシラカシ林などの照葉樹林を伐採したあとに二次林をつくる。
・暗い林内では成長できず多くは枯れてしまうため、自分のドングリから森を更新させることはほとんどない。
・コナラ林の多くは萌芽更新によってできたもの。
・樹齢が40年を超えると萌芽率が半分以下になるという報告がある。
 
●ミズナラ
 
・コナラよりも標高の高い場所や北の山地に生える。
・ブナを伐採した後に二次林をつくる。
・萌芽性はコナラと同等。
 
●クヌギ
 
・コナラの1.3倍ほどの成長速度を誇る。
・萌芽性が大変よく、樹齢40年でも100%萌芽する。
 
●アベマキ
 
・東日本で少なく、西日本に多い。
・萌芽性はクヌギと同等。
 
●ミズキ
 
・放棄された畑や伐採跡地などに、鳥のフンに混じって種子が散布され、いち早く進入する。
・萌芽性はあまりよくない。
 
●ヤマザクラ
 
・成長が早く、大木となるものもある。
・日当たりが悪いとすぐに枯れてしまう。
・萌芽性はよく、1年で1~1.2mも伸びる。
 
●エゴノキ
 
・樹高があまり高くならないので、古い里山林の中では高木性の樹種におされ、枯死や衰弱が著しい。
・萌芽性は普通。
 
●イヌシデ
 
・コナラなどの林に混じって生える。
・萌芽性は普通で、古くなると萌芽しなくなる。

雑木林の景観の特徴

管理されている雑木林の景観の特徴をまとめました。
 
●株立ち樹形
 
・萌芽更新が行われるため、根元から幹が何本も生える株立ち樹形となる。
 
●草原や低木林が入り混じる
 
・通常15~20年サイクルで伐採されたため、全体的に若くて背の低い木が多い。幹の太さも15センチ以下と細め。
・伐採直後は草原状態となって草木が生い茂った。
 
●見通しが良く、山野草が多い
 
・定期的に下草刈りや落ち葉かきが行われたため、低木やササがほとんど茂らず、見通しが良く開放的な景観。
・光が林床まで届きやすいので、色とりどりの花を咲かせる山野草が生育している。

半自然草原の概要

●半自然草原
 
・人間の干渉によって植生の遷移が草原の状態でとどめられている植生。
・人の干渉がないと、草地を覆う植物によって陽を遮られ、やがて衰退してしまう。草原の構成種の生育には、上空が空いていることが必要で、放牧、刈り取り、火入れなどの人の干渉が必要。
・構成種からみると、ススキ草地、ネザサ草地、シバ草地などがある。
 
・多年生草本のなかで冬季には地上部が枯れる地中植物あるいは地表植物は、翌春の成長に必要な物質を地下部に蓄えており、また翌年の成長芽も地表付近にあるため、冬季の刈り取りで地上部が除去されても影響がない。
 
一方、草本植物の上部を覆って競合相手となる木本植物の成長芽は地上にあるため、地上部の刈り取りや火入れは大きな影響を与える。
 
●ススキ草地
 
・かつては、水田の肥料や屋根ふきに利用されていた。
・毎年の刈り取りまたは火入れなどの人の干渉により形成。
 
●ネザサ草地
 
・放牧地として利用されていた。
・低密度の放牧や年2~3回の刈り取りなどの人の干渉により形成。
 
●シバ草地
 
・放牧地として利用されていた。
・高密度の放牧などの人の干渉により形成。
・家畜の踏付けと喫食を受ける放牧地では、成長点が地上付近にあって損傷を受けず、喫食後すぐに葉を再生できる植物のみが生育可能でシバ草地となる。
 
●生息する生物、生物多様性
 
・半自然草原の優先種はイネ科植物で直立的に分布するため、光を遮る程度が小さく、地表付近まで光が十分に到達する。そのため、小さな植物も生育可能になる。
 
・半自然草原の縁は低木の藪や二次林と接している場合が多く、動物の採餌、繁殖、営巣などの環境も提供する。
 
・上記のように生物多様性保全の面からも重要な役割を果たしてきた。

湧水湿地、ため池、水田、湧き水と生物多様性

●湧水湿地
 
・花崗岩や流紋岩などからなる、やせた山や洪積層と呼ばれる砂礫堆積する丘陵が分布する地域(東海地方以西の本州、四国、九州)では、地層中に地下水を通さない不透水層があると、地下水がしみ出して湿地ができる。
・里山の谷底や崩壊した斜面に見られる。
・湧き出す水は酸性で低栄養。
・生息する動植物は、低栄養の水質を反映して特徴的。
 
●ため池
 
・主に農業(灌漑)用水を確保するために水を貯え、取水設備を備えた人工の池のことである。その目的のために新設したり、天然の池沼を改築した池を指す。
・ため池の多くが江戸時代に作られたということから200年から300年あまりの歴史をもち、中には1,000年を超えるものもある。
・長い歴史を経てきた池の中や堤の周囲には、人工水域ながら絶滅危惧種も含めた様々な動植物が生育するようになっているところがある。
 かつては河川周辺の氾濫原には大小多数の池沼があって多様な生物層を支えていたが、人間の居住地の拡大や新田開発によってそのような水域が消滅していくと、ため池が貴重な生息場所となっていった。
 
●水田
 
・人がつくった水域ではあるが、生物多様性を支える空間でもあった。
・化学肥料と農薬の多用で、水田の生物層が貧弱になった。
・休耕田や放棄田が湛水をやめて放置すると遷移の進行によって植物相は単純になる。

 
●湧き水
 
・山地の雪解け水や地下水が伏流水となって流れ下り、湧き水となって地上に現れる。
・湧き水は清く澄んだ水温の低い水で、特有の生物層を支えている。

植生遷移と極相林

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