マンション管理新聞に東京都の区市別の管理費等の調査結果が掲載されていました。（2024年6月15日付け、マンション管理新聞　第1272号）
　
東京都と地方を比べると管理費に差があることは知っていましたが、東京23区内においても各区によってかなりの差がありました。

　
１．マンション管理新聞、東京都既存マンション（2024年1～3月販売分）の調査結果
　
●管理費（m2当り、円）の戸数別データ

戸数	23区	市部
～30戸	291	219
～60戸	249	197
～90戸	226	173
～120戸	230	173
～150戸	219	157
～200戸	234	152
201戸以上	233	168

　
●東京23区の区別の管理費（m2当り、円）

区名	管理費	全体比
港区	358	1.40
千代田区	353	1.38
渋谷区	332	1.30
文京区	288	1.13
新宿区	281	1.10
中央区	268	1.05
目黒区	267	1.05
台東区	264	1.04
品川区	258	1.01
中野区	258	1.01
豊島区	258	1.01
杉並区	256	1.00
世田谷区	247	0.97
墨田区	240	0.94
大田区	232	0.91
練馬区	224	0.88
北区	223	0.87
荒川区	222	0.87
板橋区	217	0.85
葛飾区	213	0.84
江東区	204	0.80
足立区	194	0.76
江戸川区	191	0.75
23区全体	255

　
上記調査結果を見ると港区・千代田区・渋谷区といった都心で3～4割高くなっていて、マンションの立地によってかなりの差があることが分かります。
　
光熱費用、保守点検費用については東京23区内で差はないと思われますので、共用施設の設置状況や管理員の人件費などの影響で差が出ているものと思われます。
　
２．投資用マンションでは？
　
投資用マンションの管理費が東京23区内の立地によって異なるという印象はなく、そのような話も聞いたことがありませんでした。
　
私が定期的に取得している投資用マンションンの物件情報を用いて東京23区内において管理費に差があるか調べてみました。
※）
・2023～2024年8月に楽待、健美家等で掲載されていた物件
・大手投資マンションデベロッパーの建物管理会社が管理する物件を主にピックアップ
・戸数30戸未満のマンションは管理費が高くなる傾向があるため除外。
　

区名	管理費	全体比	サンプル数
千代田区	386	1.08	19
文京区	382	1.07	48
中野区	382	1.07	13
港区	379	1.06	83
杉並区	376	1.05	36
新宿区	374	1.04	77
練馬区	368	1.03	16
大田区	368	1.03	93
品川区	353	0.99	79
江東区	352	0.98	33
世田谷区	351	0.98	42
目黒区	346	0.97	25
中央区	344	0.96	33
豊島区	340	0.95	41
台東区	329	0.92	13
北区	317	0.89	17
渋谷区	310	0.87	30
葛飾区	304	0.85	6
板橋区	297	0.83	9
墨田区	293	0.82	13
足立区	259	0.72	1
荒川区
江戸川区
23区全体	358		727

　
私の当初から感じていた印象通り、投資用マンションにおいてはマンション管理新聞の結果と比べると立地による差は大きくありませんでした。
　
たた、差は小さいとはいえ都心区のほうが周辺区と比べて高くなる傾向にはなっていました。
　
投資用マンションなので共用施設や管理員の人件費の影響は少ないと思われ、この差がどこから生じたのか分かりませんでした。私が取得したデータでサンプル数が少なかったのでデータ取得時の偏っていたり、都心区の方が戸数が少ない・階数が高いといった傾向があって管理費が高くなっているのかもしれません。